10月1日をもって、めでたく無職を卒業致しました。といっても、内定からまだ1週間しか経っていないこともあり、社の方で受け入れ準備中ということで、出社は来週月曜からなんだが。(賃金は発生している)
この木、金は自宅待機になった。来週から研修をしてくれるらしいのだが、そのための予習として、教材というか、Oracleのリファレンスサイトを教えてもらったのでひたすらそれを読んでいる。
一応、Javaでアプリケーションを作るにあたってデータベースの操作は必須なので、本当に初歩的な知識は持っているが、専門的なことになると見慣れない単語ばかりでいちいち調べるだけで時間がかかってしまう。概念的な解説も多いし。もっと若い頃ならこれくらいスッと頭に入ったんだろうなと考えて、改めて自分の老いを感じる・・・。
まぁ結局、どっちみち読んだだけだと理解しきれないんだよな。リファレンスはあくまでもリファレンスなわけで、実際に作業した体験があってこそ身についてくるもんだろう。その辺は来週から頑張ろう。
さて、タバコと酒がついに値上げ。いよいよ1本27円の域に達したメビウスを涙目で味わいながら玄関先でリフレッシュしていると、見知らぬお姉さんから「こんばんはー」と挨拶された。何も考えず「おばんですー」と返してしまうあたりがいかにも田舎モンというか、前回の恵比寿ビール記念館から何も学習していない。
「お兄さん、南無妙法蓮華経って知ってますか?」
出たよ。
信心深い人には大変申し訳ないが、俺は宗教に関して全く興味がない。別に他人の宗教を否定するつもりはないが、その代わり自分には一切勧めないで欲しいタイプの人間。よしんばこの世に神だの仏が実在するとしても、他人から「この方です」と言われたものを、会ったことも見たこともないのに鵜呑みにできるほど心が清らかじゃない。税務相談の弁護士じゃないんだから、ねぇ。神も教義も、俺の分は俺が決める。
「日蓮大聖人ってご存知ですか」
手に持った布教新聞のようなものを渡しながらお姉さんが言う。いえ、存じません・・・。荻原聖人なら知ってるんだけど・・・。
その後、人生の目的がどうたら、コロナがどうたら、日本人が行うべき全ては南無妙法蓮華経に示されているだの説かれている間に、俺の27円が灰と化していく。かと言って話してる人の目の前で吹かすのも失礼だし・・・。
さらにお姉さんの話は続き、大聖人は蒙古襲来を予言していたとか、斬首の際に未知の力が働いて処刑を免れたとか、最終的に宇宙の生命体がどうとかいうSFチックなところまで話が膨らんだ。こっちはオラクル用語で脳内メモリがいっぱいいっぱいなのに・・・馬の耳に念仏って、こういうことを言うんだなと思った午年の男。
ほぼ白目で聞き流していたら、急に「この話聞いてどう思われます?」と聞かれた。
そんな・・・バイキングの坂上忍みたいなコメントの振りされても・・・
しかし、変にまともな回答をする意味もない。向こうに余計に火をつける可能性もあるし。ともかく、一旦こっちにボールが回ってきたのだから、形勢を巻き返すにはここしかない!
「いやー、スケールでかくてオイラにはちょっとわがんねっす!!オイラ、漢字読めねっすから!でへへっ!(鼻の下を掻く)勉強しとくっす!へへっ!(鼻の下を掻く)」
ちょっと時代背景とか間違えた気もするが、とりあえず「無教養すぎて宗教の概念を理解していない青年」を演じることで強引に話を切り上げることに成功した。
高くなったメビウス、一本無駄にした・・・。それにしても、話の途中、お姉さんが言っていたことが気になっている。
「この新聞見たことないですか?最近越してこられたんですか?日蓮正宗の方よく訪問してきません?私もこのエリアはよく来るんですけども」
よく来るのか・・・本格的に引越を考え始める俺であった。