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今さらエヴァを語る

ある人から、エヴァをまともに観たことがないので、面白さをプレゼンして欲しいというリクエストを受けた。うーん、前にも書いたが別に俺はそんなにコアなオタクじゃないし、既に至る所でさんざ議論され尽くしたエヴァの魅力を今さら語る資格があるのかどうか分からないが、まぁ今日は取り立てて記事のネタもないし少し挑戦してみる。

前置きになるが、エヴァをあまり知らない人の為に整理すると、一般に語られるエヴァンゲリオンのシリーズは大きく分けて2つある。
・TVアニメ版「新世紀エヴァンゲリオン」+旧劇場版「Air/まごころを君に」
・「ヱヴァンゲリヲン 新劇場版」
他にも漫画版だのゲーム版だのスピンアウトを挙げると切りがないので放っておくとして、今回は特に断りがない限り「TVアニメ版」のことについて語る。「新劇場版」はキャラと設定の一部を踏襲したリブート作品で、まだ完結していないので語れる段階にない。

まず、ざっくりとあらすじを説明すると、エヴァンゲリオンとは、思春期まっ盛りでもれなく病んでる14歳の少年少女たちが、妙に手足が長いうえに歯の生えた気持ち悪いロボットみたいな兵器に搭乗して、使徒と呼ばれる謎の侵略者たちとエグいバトルを繰り広げる物語である。

上記を軸にしつつ、「死海文書」だの「人類補完計画」だの意味不明な用語が様々な伏線を残しながら序盤のストーリーは進行していく。中盤以降、使徒との戦いが激しさを増すにつれて、雰囲気が暗くなり人物の内面描写が増えてくる。そして終盤、ついに伏線が回収され、全ての謎が解き明かされる・・・

・・・かと思いきや、そんなことはなかった。この辺は実際にアニメ25話と最終話を観てほしいが、全ての視聴者が置いてけぼりにされる形で放送は終わってしまい、もちろん物議を醸した。こうなってしまった原因としては主に制作スケジュールが押しすぎて放映に間に合わなかったためだと語られている。(ただ、一方で庵野監督は、最終話については制作日程に関係なく、新たな表現技法としての試みで予定通りだったとも語っている。いやいや、よりによって皆が期待している最終話でわざわざそんなことしなくていいでしょ。他の作品でやれよ。)

そんなわけで、TVアニメとは別の最終回、というか問題になった25話と最終話を補完するストーリーとして後に制作されたのが、旧劇場版と呼ばれる「Air/まごころを君に」になる。この作品の中では一応、「人類補完計画」とはなんだったのか、とか、アニメ最終話のあの描写はなんだったのか、など視聴者がモヤモヤしていた謎に対する一定の答えは明かされている。とは言え、それでも頭に新たなクエスチョンマークが何個も浮かぶ結末ではあったけれども。

そんなわけで、ストーリーに関して言えば賛否両論が激しく入り乱れた作品である。しかしだからこそ伝説的な人気を博したとも言える。もし仮にTV放送全26話ですべての伏線が綺麗さっぱり回収されて、明快な結末と共に終劇していたら、それでも良作ではあったかもしれないが今ほどの一大コンテンツにはなっていないと思う。いろんな所に個人の解釈を語るだけの余地があったからこそ、世のオタクのハートに火をつけたんではないだろうか。

まぁ、とは言え、実は俺はその終盤のストーリーに関して持論を語るほど熱を持っていない。どっちかっていうと前半の方のストーリーが好きだ。斬新な作品であることは否定しないが、庵野監督はけっこう特撮とかロボットアニメの「お約束」はしっかり踏襲する人なので、エヴァと使徒との戦闘描写が中心だった物語序盤は、「今回はどんな敵をどんな風に倒すんだろう」という、幼少期にウルトラマンを観ていた時のような分かりやすいワクワク感があり、単話で観てもけっこう面白い。そういう点で言うと、第6話の有名な「ヤシマ作戦」シーン、停電のピンチの中でエヴァ三機が共闘する第11話、エヴァなしで使徒に挑む第13話あたりが個人的に好きなエピソード。

難解で、個人の解釈ができるストーリー、というだけでは作品は売れない。それで売れるなら俺は自分の寝言でも録音してとっくに配信してる。下地にある設定、アート、デザインが魅力的でなきゃ、オタクを惹き込む世界観はありえない。俺はストーリーよりかは単純にこういうメカニックデザインとかが好きでエヴァを見ている。

先ほどエヴァを「妙に手足が長いうえに歯が生えた気持ち悪いロボットみたいなもの」と言ったが、ここらがもう斬新である。(知らない人のために言うと、エヴァはロボットではなく人造人間である。よって歯がある。)長い手足の独特なスタイルの良さは、それまでのガンダムとかのロボットアニメとは一線を画すかっこよさがある。特に走る姿が妙に人間味があって好きだ。第7話で、ジェットアローンというブサイクロボとエヴァ初号機が夕陽をバックに追いかけっこするシーンがお気に入り。

また、エヴァの物語は基本的に「第3新東京市」と呼ばれる街を舞台にしている。ここは使徒と戦うための要塞都市となっていて、一見高層ビルに見える建造物の中に、エヴァが使う重火器や動力源になるケーブルプラグが格納されてたりする。こーいう設定やデザインも男子の心をくすぐるものがある。TV版でなく新劇場版になるが、第8使徒の落下地点まで初号機がダッシュする途中に披露された第3新東京の「緊急コース形成」に燃えた男は数多いハズ。(「そんな都合のいい仕組みあるかーい!」というツッコミは抜きにして)

当然、キャラクターにも色々魅力はあるわけだが、これに関してはあまり語るとネタバレにも繋がりかねない。というわけで、主要な登場人物をざっくりとだけ紹介して終わりにする。(Koma描き下ろしイラスト付き)

碇シンジ

碇シンジ
物語の主人公。エヴァ初号機パイロット。バウムクーヘンがドイツのお菓子であることを知っている。

碇ゲンドウ

碇ゲンドウ
シンジの父親。特務機関ネルフ司令官。ほぼ地下で仕事してるくせにサングラスは外さないやべー奴。

綾波レイ

綾波レイ
エヴァ零号機パイロット。ニンニク入りのラーメンが好物なので、口臭を気にしてか普段は無口。

惣流アスカ・ラングレー

惣流アスカ・ラングレー
エヴァ弐号機パイロット。TVゲームはセガサターン派。ドイツ3日本1のクォーターだがドイツ語の発音は怪しい。

葛城ミサト

葛城ミサト
特務機関ネルフの作戦局課長。29歳独身。「エヴァ」のイントネーションがこいつだけ周りと違う。

赤木リツコ

赤木リツコ
特務機関ネルフ開発部の科学者。髪は染めても眉毛は染めない派。

渚カヲル

渚カヲル
ホモということ以外すべてが謎につつまれた少年。パチンコではこいつが登場するとフルラウンドボーナス+確率変動が濃厚になるため、一部のおっさんから熱い支持を得ている。

相関図

・・・なんかこうして描いてみて実感したが、髪型とか色だけで簡単に描き分けできるあたり、売れる漫画やアニメってやっぱりキャラが立ってるんだな。描き分けできないのに売れるのは、あだち充の作品ぐらいなもんだ。

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つねさん2020年9月18日 7:06 AM / 返信

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