引越しは7月の予定なんだけど、計画的にコツコツ物を減らしていかないとろくな目に合わない。貧乏性は物を捨てられないとか言うが、全くその通りで、なぜだか俺の部屋には滅多に使いもしないものが溜まっていく・・・。
前回の引越しの時にもだいぶ取捨選択したつもりだったのに、今の住居に越してきた時にロフトにしまいっぱなしで一度も使っていない食器だとか、スーツケースに入れたままクローゼットにしまって一度も着ていない服だとかがいっぱいある。
こんなもんなんぼあってもいいですからねと、収納スペースがミルクボーイ駒場くんの懐ほどある部屋なら問題ないが、なにせ次は都内で部屋を探すのだから、今より部屋が狭くなる可能性がある。迷ったら捨てる、迷う前に捨てるの心掛けで処分していかなくちゃいけない。だいたい、全中軟式野球大会のノベルティTシャツとか、いつから着てんのよコレ・・・19年前?裏地がファーのウインドブレーカー・・・?関東でこんなん着るやついねーだろ。まぁ、秋田で育ち岩手花巻から札幌を経て東京にお上りした男なので、風雪への対策は命を繋ぐ最重要事項という考えがあったのだが、こっちに来てしまえばこんなものただ嵩張るだけの代物である。捨てよう。
そもそもの話、このスーツケース自体がすごく邪魔っけなんだよな・・・。大小2つある。前職じゃ出張が多かったのでそれなりに使っていたのだけど、今はもうそういうことないしな。小さい方はファスナーが一部壊れてるし、大きい方はニノイ・アキノ空港でロックレバーに致命傷を負わされ、ベルトなしじゃ隙間が開く仕様になってしまっている。こいつらもそろそろ処分方法を考えるべきか・・・。
まぁ、どっちも学生時代からの付き合いなんで、思い入れはあるんだけどね・・・。と、中身を整理していたら、こんなもんが出てきた。
2011年 夏 旅行記
懐かしー!そういえば数年前にも同じところから発掘したような気がしないでもないが、結局捨てずにまたスーツケースにしまっていたのか・・・。
2011年、大震災で日本が大変だった頃、俺は呑気にもアメリカに一年間の短期留学中だった。5月末から8月末まで夏休みが3ヶ月あるが、その間は寮を退去するか、1日30ドルを支払って住み続けるかという選択を迫られた。30ドルは比較的良心的な方ではあるが、キャンパスはニューヨーク州はオンタリオ湖のほとりにあるクソ田舎(ほぼカナダ)なので3ヶ月間住み続ける魅力は正直ない。かといって、一時帰国するつもりはさらさらないし・・・せっかくアメリカにいるんだから色々観光したい。でも金はない。
しかし俺は、グレイハウンドというアメリカの長距離バス会社が、60日間の乗放題パスを450ドルで販売していることを知る。当時は震災後の保険会社の円転換が見込まれて、1ドル80円とかの超円高だったわけで、つまり4万円を切る価格でアメリカ全土移動し放題。アメリカゴイスー。
というわけで思いついたのは、3ヶ月中1ヶ月はマンハッタンの格安ドミトリーで生活し、残り2ヶ月は長距離バスの車中泊を利用し宿代を浮かせながらアメリカの主要都市を周る旅に出るというもの。振り返ってみれば、若さにものを言わせすぎた蛮行である。良い子はマネしてはいけない。キツいし、何より危ない。まぁ、当時の俺はめちゃくちゃ楽しんでたけども。
上の画像の赤線が辿ったルート。30都市ぐらい回って、だいたい30泊60日ぐらいの旅程だったと思う。で、その旅行の間につけていた日誌がこの2冊のノートである。
たしか留学中もブログを書いてたんだけど、当時はiPhoneとか持ってなかったし、PCもバックパックに入れて持ち歩くような代物じゃなかったんで、旅行中はアナログに毎日ペンを走らせていた。
今こうして読み返してみると、正直、恥ずかしすぎてこの場で内容を公開するのはとても無理だ・・・。冗長な割にこれといって面白みもない文の書き方は当時も今もあまり変わっていないらしい。しかし、そういえばそんなことあったなーと感じる内容が多くて懐かしい。おそらく当時のブログ清書でもカットしたと思われるような内容もあるし。ま、もう10年以上前の話だしな。
そして、読んでいて思ったが、これホントに自分か?と感じるぐらい、当時の俺は意外とアクティブだったらしい。適当にページをパラパラめくっただけでも、当時ろくに英語も話せないくせに旅の先々でけっこうな人と会話してるし喧嘩もしてる。ホステルで相部屋になった人と飯食いに行ったり、レンタサイクルツアーなんて日本でもやったことないようなことしとるわ。
たしかにあの2ヶ月間は、俺の人生の中でも最も灼熱の時だったかもしれない。しかしそれにしても、あれからたった10年で、俺はずいぶんとつまらない大人になったんだなと感じる。当時は恐れも知らずにやっていたようなことでも、今じゃ手を出す前に言い訳が出る。嫌だ、高い、怖い、疲れる、めんどくさい・・・。
コマよ、それが大人になるということだ、という人もいるかもしれないが、じゃあこの10年間で失ってきたものの代わりに何を手にしてきたのかと聞かれたら、俺はそうそう答えられんぜ。
って、そんな感慨に浸ってたら、全然不用品整理進んでねぇ!!
まぁ、部屋掃除あるあるですわな。
でもとりあえずこの日誌は捨てずにまたどこかにしまっておく。また数年後、出直してきな!!!