毎度の如く、日曜日は撮影会。慣れたスタジオってのもあるが、我ながら団体撮影の回し方も板についてきた感がある今日この頃。つっても、やっぱり難しいところもあるんだよな。
約60分の中でだいたい4か所ほどのロケーションを回す。まぁ高い金を払っている参加者の皆様方なので、なるべく満足するような画を撮らせてあげたいという気持ちはもちろんある。とは言え、団体撮影は場所を広く占領しがちなので、あんまり考えなしに先導してたら、他の個人撮影の組の妨げになってしまう。とりわけ同じ枠に団体撮影が2組あったりする時は、この辺は尚更気を遣う。1つの部屋を団体で30分も占有してたなんてことにもなりかねないし。
あらかじめ場所決めしてスケジュール組めばいいじゃないと思うかもしれないが、なかなかそうもいかない事情もある。モデルさんの衣装は、あらかじめ「ドレス」とか「私服」とか「ランジェリー」とか、それくらいのレベルで伝えられているが、具体的なデザインとか色とかまでは分からない。清楚系な衣装なのに豹柄のソファで撮影してもなんだかチグハグだし、全身黒なのに黒壁のロケーション使ったって映えない。結局、楽屋から着替えて出てきたところを見ないとなんとも言えない部分がある。
そういうところを加味しながら、写真に関する知識ゼロの俺が臨機応変な対応を求められるわけよ。いくらキッチン風のロケーションが空いているとは言え、モデルの衣装は競泳水着だし・・・いや、俺のフェチズム的にはアリかもしれないが、しかし参加者が求めてるものではないよな・・・と、頭を悩ませる場面が多々あるわけだす。
で、この日担当したモデルさんは、どうやらコスプレイヤーらしかった。いつも通りスケジュールの衣装を見て、おおよそのロケーションのあたりをつける。次はメイドか・・・ふんふん。まぁ、あまり制限なさそうだよな。普通のベッドでもソファでも、なんならあまり人気のないキッチンも使えるかも知れない。
しかし、楽屋から出てきたそのメイドは、ゴリゴリのゴスロリで、なんか全体的に布が透けてるし、あまつさえ顔にこんなマスクを着けていた。
お、思てたんと違う・・・
参加者は当然その子のファンなので、「これだよこれ」みたいな反応してるが、いや、メイドってこういうもんなの?俺が生まれて初めて秋葉原のメイド喫茶に行ってからもう10年以上経つが、そうですか、ここまで来ていたとは・・・。
さすがにキッチンに使えなかったが、まぁソファとかベッドでなんとか凌いで、次。ここでまたスケジュールを見て俺は傾げる。
次の衣装、漢服って書いてある。
漢服・・・ってなんだ?そもそもなんて読むんだ?
漢(おとこ)服・・・?
こういうこと?いや、だったら特攻服って書くよな・・・
しかしここでコマに電流走る。待てよ、漢(おとこ)じゃなくて漢(王朝)か。さすが俺、冴えている。要はチャイナ服だろ?はいはい、了解了解。らんま1/2のシャンプーちゃんを想定しておけば大方間違いない。まぁ、ストファイの春麗寄りの可能性があるにしても大した問題じゃない。
で、楽屋から出てきたモデルさんが着ていたのは
お、思てたんと違う・・・
あ、漢ってそうなの・・・。紀元前か紀元後そこらでそんな大層な服着てたんすか・・・。脳内で「貴様は中国衣装を嘗めたッッッ」と色黒マッチョの辮髪格闘家に怒鳴られたような気がした。
っていうか、どこで撮影すんだよこんな衣装!?基本的に洋風の居住スペースをモチーフにしたスタジオだぞ。時代も大陸も間違えている。そんな四次元的なパラドックスを折衷するのは、俺には荷が重すぎる。結局、家具をどかしたり、屋上のテラスを中心に回ってなんとか凌いだが・・・
そういうわけで、肉体的というよりは精神的に疲れた一日であった。もう週一で撮影会手伝うのが当たり前みたいになってきているのが不穏だし、そろそろ休みたいところだが、しかし、来週に使用予定のスタジオはちょっと興味あるんだよな・・・
プールがあるスタジオ。
健全な日本の紳士であれば誰しも一度は目にしたことのあるであろう有名なプールがあるスタジオ。