新人研修の総合開発演習も終わり、いよいよ来月頭からプロジェクトに参加させてもらえることになったぞ。
とある金属加工メーカーさんのERP導入に関わる仕事だが、リモートワークがメインになりそう。コロナの影響もないことはないだろうが、そもそもg単価が高い素材を扱う企業って紛失盗難に対するセキュリティが固いから、外部の人間の出入りは極力避けるみたい。新人としてはできればメンバーと対面しながら仕事できた方がありがたかったが、まぁ、時代の流れとしてもこれが主流になっていくのかな。
ひとまずはCRP(Conference Room Pilot)フェーズのヘルプの仕事になる。企業がシステム導入あるいは改修する際は、その理由が経営戦略に基づくトップダウン的なものにしろ、現状のシステムの問題を改善したいというボトムアップ的なものにしろ、いずれシステム導入によって何を目指すかという「要件」を定義する必要がある。
この要件定義のフェーズを経て、1社もしくは複数のシステムベンダーに提案を要求する(RFP – Request for Proposal)。もちろんベンダーはうちのシステムなら実現できますよと売り込みかけるわけだが、まぁ実際のところこの辺はまだ表層的な話なので、企業としては実際にシステムを触ってみなきゃあ具体的なイメージがわかない。
実際に現状で企業の社員が行っている業務からシナリオを作って、導入候補のシステムで作業した場合どういうフローになるのかテストしてみましょうというのがCRPフェーズになる。どれだけが今の業務にフィットしてるのか、あるいはどれだけギャップがあるのか、その辺をユーザ側が判断して契約先を決めるための工程。
いずれ、どのシステムを使うにしても、CRPでギャップ0というのはまずあり得ないだろうから、後の開発フェーズで見落としを生まないためにも重要なところだ。ここで出たギャップを埋めるには、1.ユーザが業務を新システムに合わせて変える、か、2.現行の業務に近くなるよう、システムパッケージに追加機能(アドオン)を開発する、のどちらかになるが、まぁどっちにせよコストになるので、どう折り合いをつけるかはユーザの企業の判断になるな。
日本企業はどちらかというと後者の方を好みがちらしい。本来、業務効率を高めるためのERPなのに、変化を嫌って現行業務に近いアドオンを追加しまくり、結局一律パッケージとしての利点が損なわれて何も得られないという失敗パターンが多いみたい。まぁ、保守的というか、そういう鎖国根性みたいなのはなんとなく分かる気がする。
ここまで書いた通り、システム導入全体のプロセスで見るとCRPはかなり上流に位置するフェーズになる。エンジニアは下流工程から経験を積んでいくのが普通なので、プライムベンダーの社員でもないのに、未経験のうちからこのフェーズの手伝いをさせてもらえるのは結構貴重な機会だと思う。
過去の議事録とか読んでも分からんことだらけだが、とりあえずできることを丁寧に一つずつやっていくしかない。がんばるぞ。
あ、ところで、地下アイドル撮影会事務局からも連絡が来て、今度の土曜日は現場ヘルプに行くことになったぞ。こっちも初仕事だな。