あけましておめでとうございます。本年も宜しくお願い申し上げます。
実家にずっと居ると息が詰まって宜しくないので、特段用もないのに最寄りのコンビニ(徒歩15分)まで散歩がてらブラブラするというのが、帰省している間のルーティーン。
車移動が基本のこの田舎で、冬に外を歩いているというのは、俺か徘徊老人、あるいは冬眠し損ねた熊ぐらいのもの。
そんなわけですっかり油断していたのだが、今日は道中で同級生と鉢合わせてしまった。地元に帰ってきているのだから当然考慮しておくべきリスクではあったが、この超高齢化地域で(比較的)若い女性を見かけたらつい顔をチェックしてしまうのが悲しい性である。
目が合った瞬間に気づき、あわよくばそのまま知らないふりで乗り切るつもりだったが、向こうから先に「あー!」と言われてしまったので観念。
まぁ、別に仲が悪かったとか、めんどくさかったという類の子ではない。というか、むしろほとんど接点がなかった。一緒だったのは中学までだが、同じクラスだったことはなかったと思うし…。当然、部活が一緒だったこともない。強いて言えば、家が同じ方面ということぐらい。
冴えない中坊だった俺とは対照的に、向こうは美人で陸上部のアイドル的な、キラキラしてる印象の子だった。それでいてお高くとまっていないというか、たまに帰り道が一緒になった時にはぐいぐい話しかけてきたりして、ウブなこま少年は対応に困ってた記憶がある。
まさにそれと同じことが約20年ぶりに再現されている。
「すごーい!よく分かったねー!」とか言うので、よく考えず「あまり変わらないね」と言ってしまったが、20年ぶりに会う34歳の淑女に対して「変わらない」は失礼なのか…?どうなのか…?戸田奈津子さんに翻訳字幕をつけてもらえるなら「相変わらず美人だね」にしておいてもらいたい。
というか、良く分かったねはどちらかといえばこっちの台詞なんだよな…。さすがに俺も丸坊主だった中学時代に比べれば、それなりに垢ぬけて年相応の渋みを得たつもりだったが、もしかして大して変わってないのか…?
そんな彼女は、今は2児の母、上の子は小学校高学年だそうで。「結婚は?」とド直球に聞かれたが、笑って誤魔化してやった。東京なら「してましぇーん」で簡単に打ち返せる球が、秋田だとバットが折れるくらい重い。東京がクアーズ・フィールド、秋田がバンテリンドームだ。この話をしたくなくて俺は田舎の知り合いを避けているというのに。
「東京で働いてるの?すごい」と言うが、俺に言わせれば、この田舎で子供育て上げる方がよっぽどタフだ。東京で何かしらの仕事を見つけるのは秋田で雪に埋もれるくらい簡単なわけで…。
俺はまだ雪に埋もれているだけだ。かまくらか、せめて雪だるまの一つでもこしらえるようになれば、独身で子供がいなくても、この地元の道を人目を避けずに歩けるようになるかもしれない。頑張れ俺。
あと、俺ほんとに中学から見た目変わってないのか…?