先週、テレビに映った話。
2年前、テックアカデミーというプログラミングスクール受講を経て今の仕事に転職したんだけど、そのスクールの運営会社の方から連絡があったのが先月29日。「テレビ番組の取材に協力してくれませんか」とのこと。未経験からIT企業へ転職した過去の受講者を探しているらしい。
それはいいとして、取材日程が「本日(11/29)か明日(11/30)午前中」!?しかもオフライン取材限定?
無理だろ。平日だぞ。本当に転職者に取材したいんか?ニート探してるのと違うか?
さすがに断った。
が、その後またすぐ「12/1の午前中も可能になりました」と連絡が来た。
だから!!
12/1は木曜日じゃろがい!!
テレビ取材の為に有給休暇使わないかんのか俺は!!
2度目も断った。
しかしその後「放送日が変更になったので12/1は終日可能になりました」と連絡が来る。
正直、だから何?って感じだが。他に候補者いないんか…?まともな卒業生出してないんじゃないかと疑いたくなるが、いや、しかし、そもそも今の職場にも同じスクール受講者は何人かいる。なんなら同期入社のアルくんを身代わりに売ってしまいたいぐらいだが…まぁ、誰にオファーしたところで断られるだろうな。日程が悪いよ、日程が。
はぁ…
この件に関して、自分を非常識とか無責任とはまったく思わねぇ…しかし…このままおめーを無視ってさようならってぇやり方は、おれ自身の心にあと味のよくねぇものを残すぜ!定時後は何時まで対応できる?20時か?21時か?
というわけで、業務時間外なら調整できるかもしれません、と返信してしまった。「断ったらこの人この後も困るんだろうなぁ」とか「代わりに誰かに皺寄せが行くんだろうなぁ」だとか…便所のネズミのクソにも匹敵するそのものの考え方が命取りだと、土日のバイトヘルプの帰り道に毎度後悔しているというのに。俺もなんとか社会人として10年食いつないで来た身として若い人に忠告するけど、そんな甘っちょろい道義心を持っていると、絶対に成功しません。馬鹿を見るだけ~。
で、先方がどう返してきたかといえば、「コマさんの情報をテレビ局スタッフにお伝えするので、日時と場所の調整はそっちでしてください」とのこと。
いや、あんた来ないんか~~い!!
結局、12/1の20時からインタビューを受けることになった。インタビュー内容のサマリももらったのだが、全体のテーマが「リスキリング」だった。
リスキリング…?って何?
リス殺し…?ジャイアントキリングの対義語…?日本がスペインに負けてたらリスキリってこと…?
調べたらRE-SKILLINGで「学びなおし」という意味の用語だった。じゃあ「学びなおし」って言え。カナにしたら文字数変わらんやんけ。むしろ日本語の方が漢字の分だけ活字は短くなるわい。
なんでも、10月に岸田首相がこの「リスキリング」に今後5年間で1兆円規模の支援を行うと表明したことが取材の発端で、関連した話題として、ヤフー株式会社とキラメックス株式会社(テックアカデミーの運営企業)が業務提携して新しいプログラミングスクールを開設したことを取り上げるにあたって、俺に流れ弾が当たった形である。
というわけで、取材場所はヤフー株式会社のオフィスになった。結局、テレビ局スタッフと仲介してくれたのもヤフーの広報の方である。
TBSの、Nスタという番組の取材班の方々と挨拶。俺は今、テレビ持ってないんで全然どんな番組か存じ上げず申し訳ない。なんなら、秋田で育っているのでTBS自体ほとんど見たことないからますます申し訳ない。
レポーターの男性は、俺より2~3歳ほど年下らしいのだが、ちょっと会話しただけでもなんとなく頭の良さというか知識の多さみたいのが伝わってくる。想像してみれば、日々新しい情報インプットしてすぐ視聴者に向けてプレゼンし続けるという、究極の学習法みたいな仕事だもんな。賢くなるよなぁ。
テレビ取材なんて初めてだもんで、けっこう緊張していたんだけども、やっぱりレポーターは話の引き出し方も上手くて、気づいたら談笑してる感じでいつの間にか撮影終わってた。
インタビュー自体は終わったのだけど、キーボードを叩いている姿を撮りたいという話になった。PC持ってきてますかと言われたが、コンプライアンス上、仕事のラップトップなんて持ち歩くわけない。結局、レポーターが私物のMacBookを貸してくれて、そこのテキストエディタに何の意味もない文章を打ち込んでいたのだけど、今度は、音響として打鍵音を使いたいという話が出た。
なるほどー。最終的な映像構成とかいろいろ考えながら取材してるんだなぁ。確かにカタカタという打鍵音はIT系の話題には欠かせないSEかもしれない。しかし。しかしですよ。レポーターさんの貸してくれたMacBookのキーボードは全然打鍵音しないんですよ。スタバで叩けるくらい。
しかしまぁ、録りたいというならしゃあない。音響のお兄さんがマイクをキーボードにゴリゴリに近づけ、カメラマンのお姉さんがそのマイクを躱して俺の手元を抜き、そして俺は静音性に優れたMagic Keyboardを狂ったように強打するというシュールな光景が、その日のヤフーオフィスにはあった。
まぁ、そんなこんなで21時には撮影終了。数分のコーナーとは言え、これをそれから編集して次の日の夕方には放送するんだから、テレビってのもすげぇ仕事だよなぁ。
次の日、レポーターからお礼の電話があった。放送が終わったらしいぐらいのタイミングで、ヤフー広報の方からもお礼の電話があった。しかし、そもそも事の発端となったスクール運営の方がそれっきり連絡もないのが未だに腑に落ちていない俺。よく考えたら自宅から撮影場所までの往復交通費自腹だし…。半月くらい根に持つかもしれん。
来年は断れる男を目指したい。
平日の夕方の情報番組なんて、知り合いは見てないだろうと思っていたのだが、大学の後輩から写真付きでFacebook Messengerが送られてきた。ほぼ卒業以来連絡も取ってなかった女の子なんで、見られて恥ずかしい反面、よう覚えててくれたなという嬉しい気持ちもあり…デヘデヘ…て、でもなんか…君、苗字変わってない…?
「育休中なので見れちゃいました」とのことでした。
そっかぁ…そっちの方がすげーじゃん…リスキリングより…。
俺は仕事中だったし、そもそもテレビも持ってないし、生で放送は見てないんだけども、TBSのニュース配信サイトみたいのがあるらしく、そっちのURLがヤフーの方から送られてきたのでそっちを観た。特に変な言葉の切り取られ方もしてなかったのでいいんだけど、
俺、声低いなぁ…。